水温が重要なパラメータであることは、以前のログで言及しました。
釣り場から少しでも有益な情報を取ってヒントにしたい…そんな一心で、ロガー付き水温計をネットで漁ったポコペンでしたが、なかなか目当ての品に出会うことができず…結果、「ねーな、自分で作るか」と、あっさりDIYに踏み切ることに。
実際に作ってみると、これがまた楽しいんです!自分が作った計器がちゃんと動作した時の感動は、自作ルアーで魚が釣れた時に勝るとも劣らない感動があります。
というわけで、何作かに分けて自作計器の面白さを押し売りしていきたいと思います。
今回は、Raspberry Pi で水温計を作るのに必要な材料を紹介します。具体的な配線やプログラムコードは別の記事で説明したいと思います。なお、今回作る水温計ははんだ付け不要です。ブレッドボードとジャンパーワイヤでお手軽電子工作!今回はその第一章です。まずは、必要なものを一通りダーっと紹介していきます。
目次
Raspberry Pi 周りの環境構築
「環境構築」なんて言うと大袈裟ですが、まずは Raspberry Pi が使える状況にならないと始まりません。
Raspberry Pi は一見すると単なる裸の基板なのですが、実は Linux を搭載しているれっきとしたパソコンなのです。HDMI や USB のポートを備えており、ディスプレイやマウス、キーボードを接続することで、ごく普通の家庭用パソコンのように扱えます。また、Wi-fi でインターネットに接続したり、Bluetooth で周辺機器に接続したりと、無線周りの機能もバッチリ備えています。
ということで、まずは開発環境のベースを整えましょう。
Raspberry Pi 本体
何をおいても、Raspberry Pi 本体が必要です。2020年2月現在、バージョン4が最新のようですので、よほどの事情がない限りはこれを使うと良いでしょう。
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なお、Raspberry Pi を動かすためには、USBケーブル(電源用)や micro SD カード(OSインストール用+ストレージ)などが必要です。何を揃えたらいいかわからない!という方は、スターターキットの購入を検討してもいいかもしれません。
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ディスプレイ・マウス・キーボード
Raspberry Pi を水温計として活用するためには、Python によるプログラミングが必要です。そのためには、ディスプレイとマウス、キーボードがなくてはなりません。自宅に余ったキーボードやマウスがあれば、それを利用すると良いでしょう。
電子工作の基本的な道具
道具は凝り始めるとキリがないのですが(釣りですでに経験されている方も多いかと…)、ここでは最低限のものを紹介します。工具類は要りません。配線周りの簡単なものだけです。
ブレッドボード
ブレッドボードは配線テストのために使用します。はんだ付けすることなく、抜き差しでケーブルや素子を取り付けることが可能で、手軽に回路の挙動を確認したいときに重宝します。電子工作の必須アイテムと言ってもいいです。
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ジャンパーワイヤ
ブレッドボード上で使用する場合はオス-オスが必要ですが、Raspberry Pi をブレッドボードに繋ぐ場合や、LCD ディスプレイ等の部品を使用する場合は、メスのジャンパーワイヤも必要になります。購入する際は、必要な極性が揃っているかどうかしっかり確認しましょう。
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オス-オスタイプに関しては、必要最小限の長さのものを使った方が配線がきれいになります。
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水温計用の部品
ここからは、水温計に必要な部品の例です。最低限、これだけのものがあれば立派な水温計になることでしょう。
LCD ディスプレイ
リンク先から写真を取得できなかったのですが…温度や気圧などを表示させる青い液晶画面です。I2C接続に対応したものを選びましょう。
価格:1,442円
(2020/2/3 19:55時点)
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観測データを記録するだけなら必須ではないのですが、釣り場でリアルタイムの水温を確認できるのは何かと便利なので、ぜひ導入しましょう。
水温センサ
肝心要の水温センサです。防水性のしっかりしたものを選びましょう。僕は「DS18B20」を使用しています。プローブ長5メートルのものをオススメしたいのですが、ネットでは品切れのようです…
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ここでは2メートルのものを紹介しましたが、足場の高い漁港などでは少々心許ないかもしれません。
4.7kΩの抵抗
水温センサ DS18B20 を使用する場合、4.7kΩの抵抗と組み合わせて使用する場合が多いです。1本で十分なのですが、なかなかバラで売っているところがありません…
というか、1本で買うと送料の方が遥かに高いという…
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気温・湿度・気圧センサ
BME280は、気温・湿度・気圧をまとめて測定できる基板で、この業界(?)ではポピュラーな規格です。ネットを探せば使い方が転がっているので、そういった意味でも使いやすい基盤と言えるでしょう。
価格:1,430円 |
タクトスイッチ
僕の水温計は、日付・時刻表示モードと観測値表示モードの切り替えができます。その切り替えのために、タクトスイッチ(ボタン)を使用しています。2足のスイッチが使いやすいと思います。
あまり数があっても…な部品ですので、10個入りくらいを買うと良いでしょう。
タクトスイッチ2足<6mm×6mmスイッチ 高さ7mm>10個<1sw-215> 価格:233円 |
自作計器はアイデア次第で拡張可能
ひとまず、今回は水温の他に気温・湿度・気圧を測定し、表示させるための部品を紹介しました。
自作の計器は、自分のアイデア一つで様々な機能を組み込むことができます。例えばLEDを何個か用意して、水温が12〜16℃の間に入ったら赤色、8〜15℃の間なら青色、といったように、特定の水温の範囲内で点灯させると便利かもしれません。ちなみに、12〜16℃はメバルの適水温、8〜15℃はアイナメの適水温でした。ランプの点灯で温度帯がわかると、いちいち画面の表示を見なくても、ターゲットの魚種の適水温に入っているかどうかがわかるわけです。
次回は、水温計の具体的な配線について説明したいと思います。が、次のログがそれになるとは限りませんので、あらかじめご了承ください…勝手な釣りログを挟むかもしれません(汗)