上げ潮・朝マズメの一番良い時間帯も不発…
この日の朝マズメは上げ潮真っ只中のタイミング。
「ここで釣れなきゃいつ釣れる?」というチャンスに思えたのですが…
あわわ…じ、地元の漁師さんや釣り人の話を聞いても、みんな口を揃えて「釣れない」って言ってるんだよ…
例年であれば、この時期はポツポツアイナメを拾えていたのですが…
今シーズンは、何かがおかしいのでしょうか?
一度も40upに出会えていない今シーズン
いつもであれば、今頃の季節には何本か40upの魚に出会えているのですが、今シーズンは全くの不発。
それどころか、尺超えもままならないという始末。
いつもの漁港じゃないから?
今シーズンはいつもの漁港に行けないから、新しいポイントを開拓しているのよね?
うん。それでも、なんとか良さそうな漁港を見つけたから、最近はそこに通っているんだ。
水深もあり、障害物も豊富で、魚が住み着く条件は揃っている漁港なのですが…なかなか思ったように魚が出せず。
慣れない場所とは言うものの、何度か通っているポイントなので、魚の付き場などはだいたいわかってきたつもりです。
釣り人は多い=実績ある漁港のはず
お世辞にも、都市部からアクセスが良いとは言えない漁港。
こんな辺鄙なところに、毎回そこそこの数のアングラーが訪れています。
この寒い中、わざわざこんなところまで足を運ぶくらいなんだから、きっと実績のある漁港なのよ!
うん。だから、漁港選びは間違っていないはずなんだけど…
しかし、周りも釣果に恵まれていない
釣り客は入れ替わり立ち替わりやってきますが、多くの人は早々に諦めて帰って行きます。
これは大げさではなく、周りで釣れている人を見たことがありません。
今シーズンは何か変なのかも?
冒頭でも書いたとおり、漁師さんに聞いても釣り人に聞いても「今年は魚がいない」と。
ある釣り人は、ここよりずっと北の漁港から釣り下ってきたものの、どこも魚の気配がなかったと話していました。
途中のポイントはどこも水が濁っていたそうで、水色の良いこの漁港なら…と期待していたらしいのですが、結果は惨憺たる有様。
釣れないのは、濁りのせいだけじゃなさそうだよ。
沖合の冷水塊が原因の1つなんじゃないか?
当日の海面水温の分布はこの通りです。
ロックフィッシュの適水温には入っている
東北地方太平洋沿岸の海面水温は、およそ13〜15℃ぐらいであることがわかります。
ロックフィッシュの適水温は以下のとおりと言われています。
・メバル:12〜16℃
・アイナメ:8〜15℃
・クロソイ:12〜18℃
東北地方太平洋沿岸の水温は、ロックフィッシングに適した水温であるといえます。
私たちにとっては、とっても快適な水温よね?
そうなんだ。今ぐらいが一番動きやすいよ。
適水温なのに寄ってこない?
アイナメについては、やや高めながら適水温の範囲内。
メバルやクロソイに至っては、適水温真っ只中といってもいいです。
沿岸部の水温だけで見れば、ここまで好条件が揃っているのに魚が寄ってこないのは不思議でなりません。
ちょっと快適な空間と、ものすごく快適な空間、どちらを選ぶ?
自分のことに置き換えてみます。
ちょっと快適な空間と、ものすごく快適な空間があった場合、僕はどちらで過ごすでしょうか?
僕はMの自覚はないので、おそらく後者を選ぶと思います。
真夏のとても暑い日に、木陰とエアコンのどっちが快適か、って話よね?
ですよね〜。
魚も「より快適な場所」を選ぶに違いない
魚だって同じだと思います。
もし、沿岸部よりも沖合の方が快適だったら、わざわざ無理して海岸近くまで寄ってくる必要は無いのです。きっと。
では魚にとって、今は沿岸と沖合のどちらが快適なのでしょうか?
沖合に海水温の低いエリアが見られる
当日の海面水温の平年偏差を表したものがこちらの図です。
絶対値で見ると分かりにくかったのですが、岩手県南部から福島県の沖合にかけて、平年に比べて水温の低いエリアが見て取れます。
もしかして、今は魚にとって、沿岸部よりも沖合にある、水温が低いエリアの方が居心地がいいんじゃないかなぁ…と僕は考えました。
ねぇ!沖合の方が過ごしやすそうよ?行きましょ?
まって〜💦
あくまで「海面水温」なので…
ディープエリアの事までは分かりません。
このデータからわかるのは、表層付近に限れば、沿岸部よりも沖合の方が水温が低いということです。
沖合の方が魚にとって過ごしやすい環境である「可能性がある」というレベルです。
秋によく釣れていたタイミングの水温はどうだった?
11月19日などは、サイズは出なかったものの今シーズンの中ではかなり釣れた方でした。
クロソイさんにとっては、とんだ災難だったわよね…
このときの水温はどうだったのでしょうか?
沿岸部の水温は「やや高め」だった
この時期の東北地方太平洋沿岸の水温は16℃〜18℃程度で、ロックフィッシュの水温ではあるものの、やや高いといったところでした。
それでも、沿岸部の水温は北から順調に下がってきており、ロックフィッシュシーズンの到来を思わせるような水温分布を見せています。
まだちょっと暑いけど…
沖合の冷水塊は今ほど顕著ではなかった
一方で平年偏差を見ると、沖合の冷水塊はこの時期も見られるものの、今ほど顕著には現れていないことがわかります。
むしろ、福島県から茨城県沖の状況からすると、暖流の勢いがかなり強かったようにも見えます。
この頃は、沖合よりも沿岸の方が居心地がよかった?
表層付近の水温から推測するに、魚にとって、この時期は沖合に出すぎるとかえって居心地の悪い状況だったのかもしれません。
18℃〜21℃の等温線が混み合っており、沖合では「ちょっと南下すればいきなり暑くなる」状況だったといえます。
魚は温度変化に弱い(多分)
魚は変温動物であるため、温度変化の激しい環境は嫌う傾向にあると思われます。
そのため、比較的水温の変化が小さな沿岸部のエリアに魚が寄っていたという可能性はあります。
暑かったり寒かったり、温度の変化が激しすぎると、体調崩しちゃうわ?
【個人的妄想まとめ】今は沖合の方が居心地が良い?
最近、誰に聞いても「魚がいない」と言いますが、その一因は水温にあると考えました。
沿岸でもロックフィッシュの適水温には入っているのですが、沖合の方がより快適である可能性があります。
沖合の冷水塊の動向で、今後の釣果が変わってくると思います。
気がかりな釣果も…
今回1点気がかりなのは、アイナメが夜中に釣れたこと。
夜アイナメって、いつもであれば1〜3月頃に釣れるものなのですが…
まぁ、人間にも夜行性の人がいるし、このアイナメさんもたまたま夜行性だったのよ。
そーゆー問題なのかな…?
…
今年は不可解なことが多いなぁ…
ちょっと!こんな絶好のタイミングで釣れなかったじゃないの!一体どうなってるのよ!?