ルアーの「カラー」をどこまで重視する?

「魚は色を識別しているのか?」

これは、ルアーマンにとって悩みの種であり、ルアーカラーに関する議論は尽きません。「ホワイトだと釣れなかったのに、レッドに変えた途端に反応があった」などというように、カラーチェンジによる魚の反応の違いを経験したことのあるアングラーは多いことと思います。そのため、魚には「効くカラー・効かないカラー」があるというのが恐らく釣り業界の定説ではないかと思います。

市販のルアーにはかなりの種類のカラーラインナップがあり、「メバル必釣カラー!」「シーバスカラー!」「〇〇漁港実績カラー!」などといった謳い文句が釣具屋に踊っています。しかし、実際のところ、カラーはそれほど釣果に影響しているのでしょうか?

今日は、僕なりのルアーセレクト論について。私見がたっぷり入っているため、異論・反論大歓迎です。その方が僕も勉強になります。

僕は「多分、魚は『明度』を識別してるんじゃないかな?」派

産卵時期になると「婚姻色」を纏う魚がいます。例えば、秋のアイナメのオスは金色ともいえる眩しい魚体になることをご存知の方は多いと思います。婚姻色がなんのためにあるのか、僕は詳しくはわかりませんが、周囲の魚に「カラー」というツールで何かしらのメッセージを発していることは明らかです。恐らく、メスのアイナメへのアピールなのではないか?と思うのですが。だとすれば、メスのアイナメはオスアイナメの体色を識別する能力を有すると考えるのが自然なように思えます。

「婚姻色」の例をとってみても、魚にとって「カラー」というのは何かしら識別可能な情報であると考えられる。

ただし、このオスのアイナメの金色をまさしく「金色」として認識しているかどうかは不明です。人間の目には「茶色から金色に変化した」ように見えますが、アイナメの目にはもしかしたら「黒っぽい色から白っぽい色に変化した」程度にしか認識していない可能性があります。つまり、魚は「明度」のみ認識しており、「彩度」は認識できていない可能性もあるのでは?ということです。

もっと簡単に言えば、僕は「魚は世界を白黒に見ている?」と考えているのです。

僕がルアーを選ぶ際の着目点

魚が「彩度」を認識しているのか否か?僕は、この問いの答えを長年追い続けてきました。釣り友とも幾度となく議論しましたし、ネットでもいろんな記事を調べました。しかし、未だ納得のいく答えにたどり着けていません。

上でも述べたとおり、現在の僕は「多分、魚は『明度』を識別してるんじゃないかな?」派のポジションをとっています。つまりどういうことかというと、このカラースプレーが

タミヤの模型用カラースプレーを愛用中です

こんなふうに見えてるんじゃないか?ということです。

ピンクと黄色の見分けがつきません…同様に、緑とクリアーレッドも同じに見えます

彩度の情報を落とす(つまり白黒にする)と見分けがつかなくなる色があります。例えば、ピンクと黄色は見分けがつかなくなりますし、グリーン(左端)とクリアーレッド(右から三番目)もかなり見分けがつきづらいと思います。ただし、明度の判断はできて、例えばイエローとレッドは明らかに異なる色であることが、白黒写真からもわかります。

そんな僕がルアーカラーを選ぶ際、その着目点は今のところ以下のポイントに落ち着いています。

ポコペンのカラーセレクト着目点
  • 黒っぽいか、白っぽいか
  • 透けているか、透けていないか
  • 光沢やラメのような反射要素があるか、ないか
  • 単色か、マルチカラーか

黒っぽいか、白っぽいか

まず、黒と白、あるいはそれらに近いカラーを両極端に置いておきます。あとは中間色をどの程度刻んでいくか、ということになります。

例えば、僕の愛用するエコギア バグアンツのカラーチャートで言えば、「408 ウォーターメロンバグ」を明るめの灰色に、「322 北陸UVスモーク」をやや暗めの灰色に、さらに「468 スパークルチェリーブランデー」を黒に近いカラーとしてチョイスするのがいいでしょう。

僕の中では、ルアーのカラーが派手か・地味かという点は意味を持ちません。それよりも、釣り場の背景とのコントラストを意識したカラーセレクトをした方が効率的なように思います。

透けているか、透けていないか

光の透過の有無は、カラーとは別の次元の要素です。クリアウォーターの中では、クリアボディの「透け」により小魚らしさを演出します。白っぽく濁った水の中では、黒の無透過の素材を使うことで、周辺の濁りからのコントラストで存在をアピールします。「透け」の有無は、魚が彩度を認識しているか否かとは無関係に考慮すべき、非常に重要な要素です。

また、メバリングにおいては「アミパターン」に関わる要素でもあるため、その観点からもクリア感の有無は考慮に入れるべき要素となります。また、この点に関しては次の「ラメ」の有無も併せて考える必要がありますが、今回の本筋からは離れますので、この辺にしておきます。

光沢やラメのような反射要素があるか、ないか

魚はルアーの変化に敏感に反応することがありますが、光の明滅はそのトリガーとして非常に有効です。光の反射で「キラッ」と輝くものが視界内にあると、それについつい注意を払ってしまうという経験が皆さんにもあるかと思います。魚も同じで、ちょっとした光の加減の変化でルアーに振り向くことがあります。デイゲームでメタルジグを使う釣り方などが好例ですね。

ただし、魚がルアーにスレてしまっているときなど、仰々しい光沢やラメが却って逆効果に働くこともあります。キラキラ感のないルアーで「適度に存在感を消す」工夫が必要な場面もあると覚えておきましょう。

単色か、マルチカラーか

ルアーにマルチカラーが配されていることは、光沢やラメと同じ効果を持つと僕は考えています。つまり、ルアーが身をよじったり向きを変えたりした時にボディの明暗が変化して見えるので、魚の視界に入ると目立ちやすいのです。

ただし、闇雲にいろいろなカラーが施されていればいいというものではありません。白黒にした際に、一つのルアーの中でくっきりと明暗が分かれているようなルアーを僕は好んでセレクトします。

ちなみに、今僕が作成中のルアーでこんな派手なカラーにしているものがありますが、

白黒にすれば、こんなもんです。

では、何故こんなに派手な色に塗ったのか?

…それは、単なる趣味です。

一応、頭と尻尾の明暗差は意識して塗っています。

色よりも重視するべきは「フォルム」「サイズ」「動き」!

僕自身はそこまでルアーのカラーを重視していません。それよりも重視すべきは「フォルム」「サイズ」「動き」だと考えています。

まず、そのポイントの魚が何を餌にしているのか?を考えます。小魚か、エビ・カニか、あるいは多毛類か…といったことにフォーカスすれば、まず第一に決めるべきは「フォルム」です。

続いて、どのくらいの大きさのベイトフィッシュを食っているのか、あるいはこの場にどのくらいの大きさの餌が回ってきているのかという点に着目し、「サイズ」を決定します。

そして、その日の活性やポイントのスレ具合などにより、激しいアクションがいいのか、あるいは控えめでなければ反応しないのか、といった「動き」を検討することになります。

最後に残る要素が「カラー」となるわけですが、僕は正直、カラーは味付け程度のものだと思っています。

極端な例ですが、アイナメが小魚を追いかけ回している時に、クロー系のワームをボトム付近でネチネチやっていてもまず釣れませんよね。それはカラー以前の問題です。まずは、ターゲットが何を食べたがっているのかを見極めて、ルアーのフォルムやサイズ、動きをセレクトし、「このルアーに反応がある!けど釣りきれない!」と絞り込めた段階で初めてカラーを検討することになります。

あるいは、「さっきまでグリーンでガンガン釣れていたのにパタっとアタリが止んだ。オレンジに変えてみよう。」というパターンでのカラーチェンジはありだと思います。明らかにそのフォルム、そのサイズ、その動きのルアーで釣れていたのに、魚の目が慣れてしまったので、目先を変えるためにカラーチェンジする、というものです。

「カラーは味付け」という意識を持つだけで、釣り場に持ち込むルアー をだいぶ絞り込めるのではないかと思います。

僕のルアーセレクトの考え方
  • ターゲットが何を餌にしているのか?:フォルム
  • 餌の大きさはどのくらいか?:サイズ
  • スレ具合は?活性は?:動き

これらを決定してから、カラーの検討を味付け的に行う。

ルアーに釣られないアングラーを目指して

自分でルアーを作る際は、自然界にはあり得ないチャレンジングなカラーリングを施すことがあるのですが、それでも問題なく魚は釣れます。僕は、そんな実体験から「カラーは釣果を大きく左右しない場合が多い」ことを感じ取っています。

ルアーメーカー各社は、それぞれのモデルに豊富なカラーラインナップを設けています。しかし、そのカラーに釣られているのは魚ではなくアングラー自身だ、なんて皮肉を聞く機会もあります。同じモデルの似たようなカラーをいくつも揃えても、釣果に影響はほとんどないと思います。買うなら大きく離れたカラーを少数のみにしてみてはいかがでしょうか。決してルアー売り場で自分が釣られてしまうことがないよう…

と、自戒も込めて…(汗)

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