作ったルアーが思ったように沈まない…→リップで解決

ギリギリ沈むルアーを作る予定が、いくらコーティングを塗り重ねても浮いてしまう…そんなときは、思い切ってリップをつけてしまいましょう。一定レンジをキープできるルアーが一本あると心強いものです。

完成したルアーが思い通りに動かない…なんて、よくあることです。そこでクヨクヨしないで、次の一手を考えることが、釣れるルアーを作るための早道です。自作ルアーなんだから、自由にやりましょう!

「水面直下を泳ぐペンシル」にならなかった…

「素人でもルアーが作れるってとこを見せるぞ」シリーズで作ろうとしたルアーは、「水面直下を泳ぐ」ペンシルでした。しかし、削りが足りなかったのか、いくらコーティングを塗り重ねても、頭が水面に出てしまいます…淡水のテストでこれなので、海水でスローシンキングは望めません…また、若干ですが頭上がりの姿勢のため、水の抵抗を利用して潜らせるのも難しいのです。

結局、頑張って作ったのに、意図したルアーになりませんでした…残念ながら失敗作です。材料はもったいないですが、もう捨てるしか…

いや、いくらでも手はある

なーんてことは、ルアーを自作していれば日常茶飯事!特に初めのうちは、うまくいかなくて当たり前なんです。むしろ、ここから工夫して使えるレベルに持っていくことこそ、ルアーを自作することの醍醐味と言えます。

今回の失敗は、「思ったよりも浮力が大きくてシンキングにならなかった」ということです。水面引き波系のルアーは使いどころが限られているため、より汎用性を高めるためには、やはり潜らせる工夫が必要になります。

ルアーを潜らせるには?
  • リップをつける
  • ウェイトを貼り付ける
  • メインラインをフロロカーボンにする

リップをつける (今回はこれを採用!)

意図していたペンシルというスタイルから外れてしまいますが、リップをつけることで安定的に一定層を引いてくることができるため、使い勝手が劇的に向上します。メバルを釣る上で、「ジグヘッドリグはマニュアル車、プラグはオートマ車」なんて喩えをする人がいますが、一定層を引きやすいという面においては、リップつきルアーは間違いなくオートマ車ですね。この際なので、徹底的に使いやすいルアーにしてしまいましょう。

ただし、リップは取り付け位置や角度が動きにシビアに効いてくるので、細かい調整が必要になります。その分、綺麗に泳いでくれたときの感動はとても大きいです。

ウェイトを貼り付ける

鉛板をルアーの腹部や顔の下などに貼り付けてウェイトを調整する方法もあります。潜らせるのであれば、これが一番手っ取り早いです。また、本来意図していたシンキングペンシルというスタイルをキープするのであれば、この方法をとるのが良いでしょう。ウェイトの貼り付けは、市販のルアーのチューニングでもメジャーな手法ですよね。

メインラインをフロロカーボンにする

「お前は何を言っているんだ?」と思った方は、まずこちらの記事をどうぞ。

比重の高いフロロカーボンをメインラインに据えることで、下に引っ張る力が働くので、ルアーを潜らせることができます。ただ、トータルで見れば、メバリングのメインラインはナイロンやPEの方が使いやすいと個人的には思っているので、あまりこの方法を積極的に採用しようという気にはなりません。

微妙に潜らせたいのであれば、フロロカーボンリーダーを長めにとって重さを稼ぐという方法もあります。

リップの加工

釣りをしていると、結構リップに衝撃が加わる場面が多く、破損することもしばしばあります。僕はこれまで、ホームセンターで売っていたアクリル板を使っていたのですが、釣り場で折れて悔しい思いをしたことが何度かあるので、今回はこのリップボードを使うことにしました。

厚み、強度、色などなど、様々な素材から好みのものを見つけましょう

パッケージには「カッターやハサミでも切れるよ^^」と書いてありますが、僕はプラ板カット用のカッターをお勧めします。手数が必要で時間はかかりますが、その分まっすぐ切りやすいです。慣れていない方はこれを使ってみてください。

なお、カッターで完全に切り離すのではなく、ある程度深く傷をつけたら手で「パキッ」と折ると良いでしょう。

プラ板を切るのには絶大な信頼を置いています

好みの大きさに切ったら、リップの形を作っていきます。やすりを使って少しずつ形を整えていけば、限りなく失敗は少なくなると思います。時間はかかりますが、失敗して何枚も材料を無駄にするよりもいいかな、と個人的には思います。

家に棒やすりがない!という方、ご安心ください。爪切りのやすりでもいいです。

ピンボケしてしまった…

リップの長さや幅などによって、潜る深さやウォブリング幅などに変化が出てきます。いろんなリップを試せるのも、ハンドメイドのいいところですね。

リップの取り付け

リップを取り付けるには、ルアー本体に溝を掘り込む必要があります。このとき、僕はデザインナイフをよく使います。

ただし、今回はコーティング後に急遽掘ることになったため、硬いところに無理やり刃を通すことになります。いつもであれば、コーティング前の軟らかい状態のところに刃を通すので加工しやすいのですが、今回のような思いつき加工になると、仕上がりが若干汚くなってしまうことがあります…

美しい仕上がりは難しいかなぁ…

実際にリップを取り付けてみると、こんな感じになります。この後のスイムテストのために、まずは瞬間接着剤で仮留めしましょう。

付け根の部分にちょっとバリが見えます。これはあとでデザインナイフで切り取りますが、完全に取り除くのは困難です。しかし、スイムテストを行った後にリップの位置を本決めする段階で、また何度かセルロースでコーティングしますので、これによりバリの部分も滑らかに、目立たなくなります。

スイムテスト

取り急ぎ、風呂でスイムテストを行いました。海水より比重の小さい淡水でのテストですので、沈下速度が若干実際のフィールドと異なりますが、そこは仕方ありません。

ん?沈下速度?フローティングじゃなかったっけ?

そうです。リップの重さでギリシンキングになりました(汗)ただ、淡水で超スローシンキングですので、海水ではちょうどいいサスペンド具合を見せてくれるかもしれません。これは嬉しい誤算です。

スイムテストの様子は…動画用のカメラではないので、これが限界です…

コンデジで近距離から撮ったので、フォーカスがうまく合いません…
まあ、風呂の汚さを誤魔化すにはいいかもしれません(汗)

リップの取り付け角度が悪いと、右に曲がったり、左に曲がったり、ひどいときだとひっくり返ったりします。その場合、一度リップを外して、瞬間接着剤を付け直して、リップの角度を調整しつつ再びくっつけます。また、アイをちょっと曲げてやると泳ぎが改善することもありますので(既製品にもよくある話)、その点も確認しつつ、うまくバランスをとってあげましょう。

僕自身、これまで何個もルアーを作ってきてますが、リップが一発でバチっと決まったことは無きに等しいです…調整に調整を重ねて、やっと「まあ、こんなもんかな」レベルに落ち着くことがほとんどです。それだけに、安定した動きを実現できたときの充実感は例えようがありません。

高い「再現性」を実現するリップ付きルアー

リップ付きルアーの大きな魅力は、一定のレンジを簡単に引けることです。メバルは時としてレンジに非常にシビアになりますが、逆にいいレンジを通すことができれば爆釣することもあります。そのとき、当たりレンジをキープできるルアーがあれば、周りのアングラーから一歩抜け出すことも可能です。

はっきり言って、リップはハンドメイドルアーにおける難所の一つだと思います。しかし、苦労していいルアーを仕上げたときの喜びは大きく、またフィールドでの活躍も期待できます。「思い通りの動きに仕上がらなかったなぁ…」というとき、次の一手としてリップの取り付けを検討してみては?

にほんブログ村 釣りブログへ

関連リンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
ポコペンDIY系釣り師
釣り、カメラ、ドライブ、登山、電子工作、プログラミング、料理などなど、興味の赴くままに手を広げています。釣りブログを標榜していますがいきなり何を書き始めるか自分でも予想がつきません…