僕は普段、バルサ材でルアーを作っています。バルサ材はホームセンターで入手できる身近な素材で、また加工が容易であるため、ルアー製作に非常に適していると言えます。
一方、部位によって比重がまちまちという特性もあり、選択が難しいという一面もあります。これは裏を返せば、浮力をコントロールできる幅が広いということです。上手に選べば、同じ形・同じサイズでも、レンジバリエーションに富んだルアーを作ることができます。
- 入手しやすい
- 加工が容易である
- 軽いものから重いものまで様々
白いほど軽く、軟らかい
こちらの写真をご覧ください。これらはいずれも、同じホームセンターの同じ棚に積まれていたバルサ材です。
ぱっと見て、素材の色が違うと思います。ズバリいうと、一般的に白っぽいバルサ材は、柔らかく軽い傾向にあります。つまり、白っぽいバルサの方が、加工しやすく、フローティング系のルアーが作りやすいというわけです。一方、色の暗いバルサは硬く、加工しにくいのが難点ですが、その分丈夫で、また比較的深場を攻めるのに適したルアーが作りやすいという特徴があります。
部位によって、重さに3倍の開きも!?
上で挙げたバルサ材について、実際に重さを測ってみます。どちらの板も、8cm×10cm×0.5cm=40㎤のサイズにカットしました。
白い方のバルサ材は5.63gです。
一方、茶色っぽいバルサ材の重さは14.38gで、白い板のおよそ2.55倍の比重があります。
一口に「バルサ材」といっても、このように性質はバラバラです。したがって、自分が作りたいルアーを思い描いて、店頭でよく吟味する必要があります。
白いバルサはサクッと切れる
加工のしやすさも重要なファクターです。白いバルサ材は、カッターナイフでスッと切ることができ、また紙ヤスリで容易に整形できるため、初心者でも扱いやすい素材と言えます。初めてルアーメイキングに挑戦する際は、白っぽい板を選ぶことをオススメします。
一方、ルアーメイキングの楽しさにハマってくると、茶色っぽく硬い素材の良さも感じられるようになります。比重が大きいため、深いレンジを引きやすくなるほか、飛距離も期待できます。最近、僕自身はすっかり硬い素材にハマってしまっています。加工に慣れたら、硬い素材に挑戦してみるのもいいでしょう。釣りの世界が(物理的にも)グッと広がります。
バルサ選びは、釣果を大きく左右する
メバリングにおいて、レンジの選択は釣果を大きく左右する要素です。10cmのレンジの差が明暗を分けることもあります。
ルアーが水に浮くか沈むかは、ルアーが水より軽いか重いかによります。
ルアーには、ウェイトボールや針金、スプリットリング、フックが必要です。さらに、耐久性向上のためにセルロースやウレタンのコーティング材を塗布します。こういったものの重量も勘案して、全体的にルアーの比重を考える必要があります。
重量コントロールの具体的な方法は別の記事で述べますが、バルサボディの体積が大きく関わってくることは想像に難くないと思います。したがって、ボディに採用するバルサの比重がとても重要なのです。
- メバリングはレンジ選択がキモ
- レンジは浮力によって決まる
- 浮力はボディの素材によるところが大きい
つまり、バルサ選びから釣りは始まっている、と言っても過言ではない。
慣れてくると、バルサを選ぶ段階でルアーの出来上がりが想像できるようになります。どんなシチュエーションで使うルアーを作るのか、そのためにはどのバルサを選択すればいいのか…素材選びの段階を楽しめるようになれば、あなたは立派な変態です(笑)