市販ルアーで攻めきれないところを突く

市販のルアーは優秀です。厳しいテストを潜り抜けて売り場に並んでいるのですから、それは当然のこと。

しかし!市販のルアーではどうしても攻めきれないところがあるのも事実。「浜名湖専用!」とか「三陸専用!」みたいなキャッチコピーで売っているルアーは多々あれど、「〇〇漁港の△△テトラ付近専用!」なんてルアーはありませんよね。売れないですから(笑)けど、そんなルアーが欲しいこともあるんです。

僕だったらどうするか?そう、作ります。本日は、「水面直下を泳ぐペンシル」の誕生物語。そして、僕がルアーを自作しようと思ったきっかけのお話でもあります。

藻場の上をゆっくり流したかった

地元の漁港で、この狭いエリアだけ釣れる!!というポイントがあります。ここはウィードビッシリなところで、満潮のとき以外は攻めきれないポイントです。また、満潮になったとしても、ウィードの頭と水面の間が数十cmしかなく、ちょっとでもレンジが下がるとすぐに引っかかってしまいます。しかも距離があり…プラグでしか攻められないポイントです。

しかし、藻場の間から上を覗いているメバルやクロソイにじっくりルアーを見せたい…かつ、フローティングミノーよりもナチュラルに漂わせたい…

味わい深い(←)絵で表現するとこんな感じになります。

ウィードの隙間にいる良型にじっくりアピールしたい…

このポイントを攻めるのに、市販のシンキングペンシルではちょっと沈むのが速く、藻場の上をゆっくり巻いてアピールという誘い方ができません。リップなしで、水面下5〜10cm程度の場所を0.5回転/秒のリーリングで通せるルアーがあれば…と思いつつ釣具屋に行っても、僕の住む田舎のお店はあまり品揃えがなく…

だったら自分で作るよ。となったのが、ルアーを自作するようになったきっかけです。

使い方をイメージしてルアーを作る

じっくりナチュラルに見せるとすれば、方法としてはドリフトがやりやすいかなぁ…と思い、細身のスーパースローシンキングペンシルを作ることにしました。そうなると、水流を受けてあまり余計なアクションがないほうがいいかなと思い、水の抵抗が少ない形に仕上げることに。

水面に浮かぶルアーであれば、既製のフローティングミノーやトップウォータープラグを使えば良かったのですが、なんとなく「水に馴染ませたい」という気持ちがあり、微妙に潜る比重にしたいと考えていました。僕はメバリングにPEを使うことが多かったので、ラインの浮力の助けも借りつつ、高いレンジをキープしつつ水に馴染むルアーを作ろうと目論んだわけです。

水面に出ないように、しかし沈まないように…いろんなこだわりがありました

ドリフトの方法については、様々な本やサイトに書かれているとおりで、僕があれこれ語るよりもそちらをご覧いただいた方が有益かと思います。

件のポイントで釣れるイメージは、普通にアップクロスに投げて、リーリングはルアーを引くのではなくラインスラックの回収のためだけに行い、ふらふらとルアーが藻場の上を通りかかった時に隙間からメバルがドン!!っていう感じです。

図が味わい深すぎてすみません…

狙い通りの場所に、狙い通りの通し方で釣れた魚は、サイズ問わず嬉しいものです。

このサイズが遊んでくれれば十分に楽しいです

ルアー製作は「魚を理解すること」にほかならない

こんな釣り方をしたいから、こんなルアーが欲しい」というモチベーションで、僕のルアー製作はスタートしました。

バルサを削り、コーティングし、カラーをつける間に、魚に対するいろんな思いを巡らせました。「微速フォールが効くだろうか?」「動きは静かな方がいい?」「派手なカラー?地味なカラー?」などなど。当初は単純に「釣れるルアーを作ろう」と考えていたのが、いつの間にか「この場面で、魚はどんなことを考えているんだ?」に変わっていきました。魚の気持ちになる、とでもいうのでしょうか。

ルアーありきで魚を追うのではなく、場面に合ったルアーを投げること、そしてその場面を読み取るには、魚を理解することが重要であると気づかされました。漁港の一角の藻場がくれたルアービルディングという道は、僕にもっと魚のことを理解せよという課題だったのかもしれません。

ルアーの自作をはじめてから、ちょっとだけ魚の気持ちがわかるようになった気がします。

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ポコペンDIY系釣り師
釣り、カメラ、ドライブ、登山、電子工作、プログラミング、料理などなど、興味の赴くままに手を広げています。釣りブログを標榜していますがいきなり何を書き始めるか自分でも予想がつきません…