水温を把握して魚に一歩近づく試み

釣りをする上で「潮汐」は非常に大切な情報です。潮位表は釣具屋さんでも広く配布されており、またネット上の釣りサイトでもタイドグラフを確認できるため、潮汐は釣り人にとってはおなじみの情報となっています。

しかし、同様に重要な情報であるはずの「水温」が話題になる機会が相対的に少ない気がしますが、いかがでしょうか?

その理由は、潮汐に比べてアクセスしづらい、あるいは把握しづらい情報だからではないか?と思います。そこで今回は、水温をより身近に考え、魚の懐に一歩近づく試みを紹介したいと思います。

魚の「適水温」を知る

魚という変温動物を相手にする上で、水温は非常に有益な情報になり得ます。魚には、各々が活動しやすい「適水温」というものがあるそうです。例えば僕が持っている情報では、メバルなら12〜16℃、アイナメなら8〜15℃、クロソイなら12〜18℃がそれぞれの適水温となっています。

魚の適水温
  • メバル:12〜16℃
  • アイナメ:8〜15℃
  • クロソイ:12〜18℃

水が適温より温かい場合、魚はより冷たい水を求めて深場へと落ちていきます。真夏になると、日本近海の水温は20℃を大きく超えるところが多いため、陸っぱりで上に挙げたような冷水性のロックフィッシュを釣るのはかなり難しくなると言えるでしょう。

一方、水が適温より冷たいポイントはどうでしょうか?僕の経験上、冷水性のロックフィッシュは真冬でも釣れますので、適水温を下回っても一定数の魚はシャローに残っているものと思われます。ただし、魚は変温動物であり、人間のような恒温動物よりも周辺の温度の影響をモロに受けるため、低水温下ではかなり動きが鈍くなっているものと思われます。そのため、真冬は最盛期に比べてよりスローな釣りを心がける必要があります。

ポイントの水温を把握する

海面の水温を大まかに把握したい場合、気象庁のページが参考になります。

【日本近海の日別海面水温】

https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/data/db/kaikyo/daily/sst_HQ.html

気象庁>各種データ・資料>海洋の健康診断表>海面水温に関する診断表、データ>日別海面水温

ただし、これで把握できるのはあくまで「大まかな」水温分布であり、普段自分が通っているポイントのローカルな値を読み取るのは難しいと思います。より正確な値を取りたい場合、やはり自分で調べることが重要になってきます。

僕の場合、ある決まった時刻の水温はもちろんのこと、一日のうちの時間変化も測定し、さらに記録しておきたいと考えました。そのため、水温センサつきのデータロガーがあればいいなと思ったのですが、市販品はどれもプローブが短く、センサが防波堤から水面に届くような商品がなかなかありませんでした。

ちょうどいいのがなければ、作ればいい

というわけで、DIY系釣り師の本領発揮。「なければ、作る」の精神です。Raspberry Pi 3 にセンサを組み合わせて、ロガー付き水温計を自作しました。

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Raspberry Pi での電子工作の参考書として、僕は金丸隆志さんの書籍を購入しましたが、実例豊富でわかりやすかったです。

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温度測定やデータ収集のプログラムコードは Python で書いています。本当はこれも参考書を紹介できればいいのですが、僕はちょっとだけプログラムをかじったことがあるため、購入しませんでした。上で紹介した書籍では、実際に動作するサンプルコードが掲載されていますので、プログラミングの素養がある方であれば十分に理解できる内容となっています。

具体的な温度計の作り方については、機会があれば後日紹介したいと思います。

ちなみに、現在は Raspberry Pi 4 が出ているようですね。もしこれから電子工作に取り組みたいという方がいらっしゃれば、敢えて古いものに手を出す必要もありませんので、4 を選択したほうがいいと思います。

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そんなこんなで、完成したのがこちら。水温センサのプローブは5mくらいあるので、ある程度足場の高いところからでも水温を測ることができます。

プローブの長い市販品がないんですよね…

観測データは LCD ディスプレイに表示され、リアルタイムで水温を確認することが可能です。

配線は素人仕事ですが…使い勝手はなかなか良いと思います

Raspberry Pi は OS が micro SD カードに書き込まれていて、カード自身がストレージの役割も果たすため、外付け HDD 等を用意しなくても観測データの保存ができます。そのほか、 Raspberry Pi の強みとして、消費電力が非常に小さいという点が挙げられます。そのため、汎用品のモバイルバッテリでも長時間の観測が可能となります。

自作水温計の特徴
  • 水温のほか、気温・気圧・湿度が測定可能
  • 水温センサのプローブが長いため、高い足場からも水温測定が可能
  • LCD 画面により、リアルタイムの観測データが確認可能
  • 外付けストレージがなくても観測データの記録が可能
  • 汎用バッテリーが使用できる上、Raspberry Pi が省電力のため、長時間稼働が可能

僕の通うポイントのローカルな水温

LCD 画面に実際の観測データを表示させた状態がこちらです。夜に撮影したため、LCD 画面以外がほとんど写っていませんが…

AT:気温、RH:湿度、WT:水温、P:気圧

そして、1時間半ほど連続で気温と水温を記録した結果がこちら。気温が4℃前後だったのに対し、水温は約9℃で落ち着いていました。

そのほか、湿度と気圧も記録していますが、ここでは表示していません

気象庁のサイトによると、僕が住む地域では、この季節の海面水温は11℃前後のはずです。しかし、実際に測ってみるとそれより2℃程度低いことがわかりました。気象庁が示す水温はあくまでも広範囲の平均的なもので、ローカルに見れば大きく隔たりを持つことがあります。潮流等によって、漁港ごとに大きく水温が変わっている可能性もありますので、ある場所で釣れなければ別の場所へ、と手早く移動するのもありだと思います。流れ込みなどにより、隣の漁港は適水温になっているということもあるかもしれません。

気象庁の情報がまったく使えないかと言えば、決してそんなことはありません。日別海面水温のページは、日本近海の水温の移り変わりを示すものですので、「徐々に〇〇のシーズンが近づいてきたな」といった季節感の目安になりますので、シーズンインへの準備に役立てることができます。

ひとつ言える「重要なこと」

今回のポイントの9℃という水温は、メバルの適水温の下限である12℃を大きく下回るものでした。この水温になると、メバルの活性は著しく下がり、かなりタフな釣りになると考えられます。実際、今日はメバルの魚影が全く見られず、苦戦は覚悟していました。そして、結果はノーバイト…この水温からは、ある程度予想できたことです。

ここで、ひとつ重要なことが言わなくてはなりません。今日釣れなかったのは、水温が低かったせいで、僕が下手くそなせいでは決してありません!

…まあ、上手い人はこういう場面でもなんとかして釣るんですよね…わかってます…フィールドの情報を取ることも大切ですが、まずはやはり腕を磨くこと、これに尽きますね。

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