根魚アングラーにとって、バークレイのガルプシリーズはなくてはならない存在です。
タフなコンディションでも強烈なニオイで魚を誘い出し、これまで僕を数々の大物に引き合わせてくれました。
しかし、ガルプを使っているといろいろな問題もあって…
以前から一旦「脱・ガルプ」したいなぁと考えることがあったのですが、意を決して最近トライしてみました。
結論から言うと、ガルプがなくてもまともな釣りはできますね。普通に楽しめます。
目次
僕が考える「ガルプの問題点」
対根魚用ワームとして、バークレイのガルプを最強アイテムとして挙げるアングラーは多いと思います。
僕自身、ガルプにはこれまでずっとお世話になってきましたし、一本大物を上げるたびに信頼度が高まって行ったのは事実です。
しかし、普通のプラスチックワームに比べて、ガルプって独特の扱いづらさがあると思うんですよね。
以下、完全に私見ですが、僕が考える「ガルプの問題点」です。
素材感とアクションについて
以前の記事でも書きましたが、ガルプって本っっっっっっっ当にカラーによって素材感が違います。
例えば、レッドやカモ、ジューンバグあたりはかなりプリプリした素材で動きもいいのですが、それ以外のカラーは柔軟性がなく、酷いものだと水流を受けてもほとんど動かないものもあります。
ラメやフレークを入れている商品にその傾向が強いように思います。
あとは、無理にクリアっぽくしている素材…
動かないワームでも、その味とニオイで魚が釣れてしまうのですが…
ワームの釣りの楽しみとは?
例えば同じワームでも、カラーによって食いが違ったりすることがあると思います。
この「同じワームでも」というところがポイントで。
カラーによってアクションが変わってしまうのであれば、それはもう「同じワーム」とは言えないのではないかと。
ルアーフィッシングとは?
個人的なこだわりを多分に含みますが…
動かないワームで、味とニオイだけで釣るのって、ワームフィッシングの楽しみを完全にスポイルしているような気がするんです。
それなら、餌を使うのと変わらないんじゃないかと。
せっかくなら、そのワームのアクションや波動を生かした釣り方で魚を手にしたいなぁ、と思うわけです。
パーツの折れ・曲がりが多い
パドルがあらぬ方向に曲がっていたり、テールが折れていたりと、本来あるべき姿から変形してしまっているものが結構な確率で混入しています。
当然、そのような個体はまともなアクションをするはずもなく。
ただリトリーブしているだけなのに斜めに泳いだり、おかしな回転をしたりと、とにかくいうことを聞きません。
「経済的損失」と言うのは大げさか?
みみっちい話で申し訳ないのですが、そういう個体がパックにひとつ入っていると、100円近く損することになるんですよね。
10個あれば1,000円、と考えると、意外と馬鹿にできない損失です。
品質管理、どうなってるんですかね?
同じバークレイの商品でも、パワーベイトシリーズはそんなことがないのですが…
不良品混入のリスクが高いということを知ってしまうと、ちょっと買うのに躊躇してしまいます。
それは僕がセコいから…か?
汁の管理について
ガルプの威力は「汁」によりもたらされます。
この汁がガルプに味とニオイをつけるのと同時に、保存液としての役割も果たします。
したがって、ガルプを使うということは、その汁も合わせて持ち運ぶ必要がある、ということです。
ガルプを汁ごと持ち運ぶ方法としては主に2パターン考えられます。
1.密閉容器を使う方法
僕はこういうのを使ってます。
密閉性能はかなり高く、容器からの汁漏れの心配はないです。
製品自体は素晴らしいのひとこと。
しかし、汁漏れはなくてもニオイは移る
容器の開閉のときに手についたり、蓋から滴ったりした汁がそのまま容器の外側に付着するので、バッグの内容物にニオイが移ることになります。
しまう時に丁寧に拭き取ればいいのかもしれませんが、釣り場でいちいちそんなことをする時間がもったいないです。
意外と重い
あと、液体を入れることになるので結構な重量になります。
長時間の釣行では、この重さが地味〜に効いてきます。
極力身軽に行動したいランガンスタイルや、長時間釣り歩く場合は、小さい容器を選んだほうがいいかもしれません。
2.ガルプのパックをそのまま使う方法(お勧めできない)
ガルプのパックはジッパータイプになっており、一応汁漏れ防止機構は備わっています。
しかし、ピッチリ閉めるのを忘れたりすること…ありますよね?
ちょっとずつ汁が漏れ出すこと…ありますよね?
そうなった場合、バッグの中の惨状は想像に難くないことと思います。
品質管理面の問題もある
また、汁が漏れることについてはニオイ以外にもデメリットがあります。
それは、長時間放置するとガルプが干からびてしまうことです。
水や保存液に浸けておけば弾力は戻るのですが、釣り場ですぐに使いたいときに、そんな悠長なことはしてられません。
バッグにニオイが移っても気にならない、パック内のワームは短期間で使い切る、という方であれば大丈夫ですが、あまりお勧めはできない方法です。
耐久性について
僕の使い方が良くないのかもしれませんが、2〜3匹釣るとダメになってしまうことが多いです。
魚に食いちぎられるのではなく、フックに刺している部分が裂けてしまうんですね。
アクションにも影響する
その場合、場所を少しずらしてフックを刺し直すのですが、最初に決めたベストな位置からはズレてしまいます。
そのため、ワームが曲がってセットされることになり、本来のアクションではなくなってしまいます。
この点、ほとんど動かない硬いカラーであれば逆に気にしなくていいですけどね…
一瞬でフグにやられることも
あと、デイゲームではフグにやられる確率がプラスチックワームより高いような気がします。
強烈なニオイで誘われるのはメインターゲットだけではありません。
1投して帰ってきたらワームがなくなっていた、ということもあります。
集魚力が高いのも考えものです。
こう考えると、ガルプ1本あたりで釣れる魚はプラスチックワームに比べて少なくなってしまいます。
お財布に優しくない…
パワーベイトを見直そう
僕は最近、原点回帰というか、昔のパワーベイト時代のパルスワーム4インチを使っています。
レギュラーラインナップからは消えてしまったのですが、たまに限定再販されることがあるんですよね。
僕にとって信頼度の高いワームで、再販の際は買うことにしています。
ロックフィッシュシーンで一斉を風靡した、と言っても過言ではないワームだと思います。
時代の流れには逆らえなかったのか…
リフト時はもちろん、フォール時にも手元に伝わる波動、弾力のあるボディ全体を使った大きな動きなど、食い気のある魚に対するアピールの大きさが特徴です。
しかし、ガルプが登場してからというもの、釣具屋さんでの売り場面積が徐々に縮小していき、近年ではだいぶ肩身が狭い状況に…
そして、4インチから3.8インチにモデルチェンジしたのを機に、僕の大好きだったパワーベイト 4インチパルスワームはお店から姿を消してしまいました。
「往年の名作」は、今も名作なのだ
そんなパワーベイトですが、「ガルプが出てきたからパワーベイトが釣れなくなった」ということはありえないと思っていて。
昔釣れたルアーが今釣れない、なんてことは考えづらいのです。
なので、今実践投入してもバリバリ通用するはず…
ガルプ信仰を振り切って…
ここ数年はどうも「ガルプの方が釣れる」「ガルプ使っとけば間違いない」といった固定観念ができてしまい、なかなかパワーベイトをメインで使うことがなくなっていました。
ガルプに対しては、先述のデメリットも感じていたところなので、この辺でちょっとパワーベイトメインの釣りにトライしてみようと思ったわけです。
ガルプとパワーベイトの比較
ガルプとパワーベイトの違いはこんな感じだと思っています。
ガルプ | パワーベイト | |
---|---|---|
動き | △ マシな動きをするカラーもあるが… | ◎ プリプリした素材で大きな動き |
ニオイ | ◎ いいニオイという意味ではない | ○ そこそこある |
扱いやすさ | × 汁と合わせての管理が大変 | ◎ 干からびたりしない |
耐久性 | △ カラーによるが、脆いもの多し | ○ 2〜3匹釣って壊れるということはない |
ガルプとそれ以外のワームを比べると、どうしても「扱いづらさ」が際立ってしまいます。
釣れるからなんとか我慢できる、というレベルではありますが…
ほかのワームでも十分な釣果が出せるのであれば、そこまで苦労してガルプにこだわる必要もないのでは?という気がします。
パワーベイトでも普通に釣れるよ
で、実際にやってみると、ガルプ以外のワームでもちゃんと釣れるんです。
一流メーカーが製品として世に送り出している以上、それは当然と言えば当然ですが…
ブイの近くに投げてやって、着水後のファーストフォールでパコーン!とバイトが出るので、反応もかなり良いと言えます。
フォール時にテールがかなりよく動くので、上を意識している魚に対して強いアピールになります。
【ちょっと余談】フロロの高感度がよりパルスワームを生かす
ブイ周りにフラフラと落とす方法は、テールの動きとリブの水押しが強いパルスワームに適した釣り方だと思います。
クラッチを切ってのフリーフォール中にしっかりアタリが取れるのは、フロロカーボンラインの大きな特徴です。
8lb程度のフロロは、スピニングタックルで扱うのは少々難しいですね。
このあたりのラインをトラブルなく使えるのがベイトタックルのメリットです。
耐久力があるってすばらしい
魚がちゃんと釣れるのはもちろんのこと、耐久力も素晴らしいですね。
パルスワームが特段丈夫というわけではないのですが、ガルプの脆さに慣れてしまうと、1本のワームで5匹も6匹も釣れることに感動を覚えます。
脱ガルプ、イケるな
ガルプなしで「まともな釣り」ができるのか…挑戦前は不安でしたが、全く問題ありませんでした。
パルスワームというルアーの基本性能が素晴らしいので、強烈な味やニオイに頼らなくても十分に魚を引きつけることができます。
普通に釣れるどころか、メリットもある「ガルプ離れ」
ここ2回ほど、ガルプを封印してクロソイに挑んでいますが、いずれも問題なく釣れています。
また、ガルプに対する不満が解消されることで、これまでより釣り自体に神経を集中でき、より楽しめるようになったような気がします。
・ ニオイを気にしなくてよい
・ 荷物が軽くなる(汁を持ち歩かなくて済むため)
・ ワームの管理が楽(乾燥や汁漏れを気にしなくていい)
・ 耐久性が高いため、経済的
・ ワームのアクションを生かした釣りができる
ライトに釣りを楽しめるこの季節は、脱・ガルプをしばらく続けてみようと思います。
ただし、ガルプが心強い存在であることに変わりはない
以上、イマイチなところを散々書いてきましたが、数々の感動的な魚との出会いをガルプがもたらしてくれたのは紛れもない事実です。
これからも、ここ一番の心強い存在であることは間違いありません。
極寒期のアイナメ釣りで、またお世話になります
晩秋の根魚ハイシーズンが終わり、1月からの極寒期を迎えると、滅多に口を使わない夜アイナメとの勝負が控えています。
1日に1バイトあるかないか…そのワンバイトを確実にモノにできるか…という釣りです。
あらゆる手段を講じて渋いアイナメを引きずり出すために、ガルプの強烈な味とニオイは欠かせない武器となります。
どうしても1本出したい!という場面でこそ、ガルプは存在感を放つワームなのだと思います。
扱いづらさはあるものの、今後も僕のワームラインナップからガルプが外れることはないでしょう。
今回の脱・ガルプの取り組みは、僕とガルプの適切な距離感を測るのにちょうどいい試みだったのかもしれません。
・ 色による素材感の差が大きすぎる
・ 臭い
・ ほとんどのカラーは動きが悪い(動かないのもある)
・ 臭い
・ パーツの折れ、曲がりがある不良品個体が平気で販売されている
・ 臭い
・ 汁も一緒に持ち歩くので、荷物が重くなる
・ 臭い
・ 管理を誤ると干からびたりして使えなくなる
・ 臭い
・ 耐久性がない(2〜3匹釣ると壊れる)